今どきの著者原稿_d0240781_11485728.jpg
パソコンがなくては夜も日も明けない時代になっても、著者から渡される原稿は本当に様々だ。手書き原稿もあればワードでレイアウトまでしてある原稿も多い。編集者にとっては、どちらもやっかいな原稿だ。手書き原稿も文字がきれいとは限らない。解読作業をしながらの入力作業が必要だ。逆にレイアウト込みのワード原稿の場合は、テキストと画像データを切り分けて、テキストデータはシンプルテキストに、画像データはphotshopなどを使って、単独にデータに再保存しなければならない。この段階で画像が印刷原稿として適さないことが判明することが多々出てくる。
 結局、どんなかたちでも編集者に原稿を渡してしまえば自分の仕事は果たしたと考えている著者がほとんどなのだ。これまでに何冊も本を出している著者であっても本がどのように制作されていくのか、そのことに驚くほど無知なのだ。あるいは関心がないのだろう。
 かつて印刷所への入稿がデータ入稿でなかった時代はそれでも良かった。原稿を組む作業は印刷所の仕事だったから。ところが最近は文字中心の書籍の場合、inDesignなどを使って本文組まで編集者がやることが珍しくなくなった。私の場合、ここ5年ほどに編集した書籍はすべて自分で版下製作までするようになった。著者から渡された原稿は仕上がりに近い形で赤を入れていきたいので、いったんプレーンなテキストにしたものをinDesignに流して体裁を整えてからリライト、校正にかかる。図版の多い本ではこの段階でサムネールをつくって全体の流れを確認する。
 ところで、データの受け渡しにフロッピーという道具を使わなくなってどのくらい経つのだろう。最近はもっぱらメール添付か、少し大きなデータは宅ファイル便、手渡しのデータもUSBメモリーに変わった。
 時代は日進月歩、と思っていたら最近、フロッピーで原稿を渡された。原稿の主に中身を問うと、「ワープロで打った。一太郎で」と。うーん、これは手強い。私はMAC SEの時代からMacintosh一本槍。MACでは互換性がなくて、刃が立たない。Windowsにすればいいではないかと言われるが、Macに慣れた人間にはWinのあの汚い画面で仕事をする気になれない。知り合いの事務所でWinのワードに変換してもらい、さらにテキストフォーマットに保存したものもつくってもらうことができて、ほっとした。
 著者の皆さん、テキストはパソコンの機種に依らずに読めるシンプルテキスト(.txt)、画像データはテキストデータとは別にくださいね。ホントお願いしますよ。
『棚田の謎』2刷準備_d0240781_9211312.jpg2003年に発刊した百の知恵双書の第1巻『棚田の謎・・・・千枚田はどうしてできたか』(田村善次郎、TEM研究所)の初版がもう少しで品切れになるところまで来たと農文協から連絡が先日入りました。
2刷のためにもう一度見直すと、誤植が数カ所見つかりました。初版時にさんざん校正をしたつもりなのですがやはりありますね。
以下に訂正箇所をあげておきます。2刷では訂正します。

p762段目 「下の表の」→「七八頁下表の」
p103註3 2行目の「、」ひとつトル
p107年表右の段最上行 「潤役」→「澗役」
p1102段4行目 「撮映範囲」→「撮影範囲」
「夏をのりきる暮らし術」の見本誌が届きました_d0240781_18385044.jpg
 農文協から先日責了した「夏をのりきる暮らし術」の見本誌が届きました。これまで雑誌や単行本を数百冊編集してきましたが、見本誌の封を開けるときは期待と不安が入り交じり、いつも少し緊張します。とくに今回は編集からDTPまでを一月ほどでやったのでひとしおです。
 マットPPをかけた表紙の色が色校紙より少し沈んだかな。色校紙は平台、本機は輪転。その違いが出たようです。その違いまで予想して校正することは実際には難しい。実は「農家に学ぶ暮らし術」と同様に、もう少しラフな本文用紙を使いたかったのですが、予定していた紙が東日本大震災の影響で入手できませんでした。「農家・・・・」に比べて、開き具合に少し抵抗があるのはそのためです。表紙のタイトルに使った書き文字風のひらがなフォントはOTミックスというOTFタイプのフォントです。このフォント、「る」という字の丸がつぶれていて、「ろ」に読んでしまう人もいる。でも「農家・・・・」のほうのタイトルは丸が開いていて、「る」になっている、あれと気付く方もあるでしょう。「農家・・・・」のほうはペーパースタジオの春井裕さんが書いてくれた書き文字だったのです。
 雑誌が書店に並んだらそっと手にとって表紙の小口側を見てください。
 本文用紙に比べて表紙が数ミリ左右に寸詰まりになっているはずです。これは設計ミスではありません。輪転印刷ではインクを強制的に早く乾かすために本文用紙に熱を当ててすぐに製本、設計寸法で裁断します。そのため時間が経つとPPのかかった表紙はもとの寸法のまま本文用紙だけが自由に動ける左右方向にだけ伸びるです。これは現在の輪転印刷の雑誌共通の特徴なのです。
ミョウガを使った冷やし中華風讃岐うどん_d0240781_1333458.jpg
仕事場で週に2度ほど昼飯をつくります。最近はまっているのがミョウガを使った冷やしうどん。テレビでやっていたものをまねしてみましたが、さっぱりしておいしいです。材料はミョウガとアゲと讃岐うどんだけ。乾麺が茹で上がる間、ミョウガはお酢(砂糖、塩少々)に漬け込んでおきます。漬け込んだお酢は麺汁にお好みに加えます。
もう一品はナスのピリ辛味噌炒め。夏の定番です。ピーマンやパプリカもいっしょに、豆板醤を効かせて炒めます。2品、30分ででき上がりです。では、いただきま〜す。
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デスクトップの引っ越し_d0240781_1232186.jpg
鎌倉の小町から葉山の堀内に仕事場を移して3回目の夏が来ます。今日の午前中は夏恒例の引っ越し。といってもベニヤ一枚分のデスクトップの2階から1階への移動。iMAC、HD2台、スキャナー、卓上のプリンター、Zライトを運んでつなぐだけ。30分ほどで済んでしまいます。最近は無線ランがあるので、2階に鎮座しているレーザープリンタなどの配線の心配がないので助かります。仕事場は古いタウンハウス。緑に囲まれた環境ですが、夏の間、2階は天井からの輻射熱で仕事になりません。放射温度計で天井の表面温度を測ってみると、2階は31℃、1階は27.5℃。外気温が29℃の比較的過ごしやすい今日でも3.5℃も違います。夏は嫌いだなあ。ああ、9月下旬、秋の清々しい日に、海の見える2階にまた引っ越すのが待ち遠しい。3ヶ月の辛抱です。